アメリカのプリンストン大学の研究チームが韓国の研究者と協力し、ショウジョウバエの成体の脳の地図を完成させ、その研究結果を国際的な学術誌『ネイチャー』の特別号に掲載しました。
今回の研究は既存のショウジョウバエの幼虫の脳の地図作成を超え、成体ショウジョウバエの複雑な脳構造を分析したものであり、人間の脳疾患研究への応用の可能性を高めました。
ショウジョウバエの脳には合計139,255個のニューロンが存在し、これらは5,000万以上のシナプスでつながっています。これらの細胞は感覚認識、意思決定、飛行などの行動を制御する上で重要な役割を果たします。
特にショウジョウバエは人間の遺伝子と約70％を共有しており、人間の遺伝性疾患の約75％がショウジョウバエで類似の形で現れるため、研究の重要性が一層強調されます。
また、ショウジョウバエは年を重ね、交尾を誘引する行動をとるなど、さまざまな面で人間に似た特徴があります。
今回の研究で研究チームはAI技術と電子顕微鏡を活用し、ショウジョウバエの脳をナノメートルの厚さで切断して3D画像を生成し、その後細胞を区別してコネクトームを構築しました。このプロセスは膨大なデータと精密な分析を要求し、研究チームは複数の人が同時に作業できるプラットフォームを利用して細胞修正作業を行い、脳の地図を完成させました。
今回のショウジョウバエ成体脳の地図の完成はアルツハイマー病や認知症などの脳疾患研究に対する期待感と神経生物学研究における重要な指標となると評価されています。
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